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PCMの必要性と活動領域

近年、建設産業を取り巻く環境の変化は激しく、その生産活動は大きな影響を受け、建設に関わる企業の経営は、発注者、受注者とも従来にない厳しい局面を迎えています。建設産業がこの局面に対応していくには、いかなる企業にあっても適切な経営が必要となり、そのために基礎を支えるPCMの重要性が増しています。

一方、建設産業は社会性が高く、PCMにも社会性が強く求められます。

PCMの社会性とは、建設コストの公明性、妥当性、透明性などを担保することであり、建設産業に社会性が強く求められるほどPCMの活動領域は大きくなります。

しかし建設産業は経済活動であり、ビジネスの世界でもあります。発注者、受注者、あるいは国民という消費者など、さまざまなステークホルダー(利害関係者)の利害調整が必要であり、コスト領域を扱うPCMのノウハウは、ここでも必要不可欠となっています。

最近は、表1に示すマネジメント業務や建設事業の形態、さらに新しいコスト領域が発展してきましたが、これらはPCMなしには成り立たちません。PCMのノウハウが必要であり、PCMの新しい活動領域となっています。

PCMは、それ自体では意味がありません。しかし、表1に列挙した事例のように、近年、新しい建築プロジェクトの管理手法や調達方式、また建築コストの捉え方がなどが発展し、建設産業に新しい動きがでれば、PCMは、必要不可欠な業務として活動領域が誕生してきます。

PCMは、常に新しい観点から活動領域を発想することが求められます。

既存の世界で取り組まなかったことや気がつかなかったことが、社会環境の変化によって顕在化し、PCMの活動領域は拡大していきます。

しかしこの時、PCMは社会性を考えることが大切であり、社会的な課題をミッション(使命)として取り組むことが求められます。同時にPCMには社会に役立ち、社会と共生するという精神を持つことが強く要請されます。

PCMは、社会的な要請、経済的な要請、あるいは人間的な要請によって活動領域が拡大していく特性があるといえましょう。