| 2006年10月 |
| (社)日本建築積算協会 |
| 講習・CPD 運営委員会 |
左の図は、当協会と他団体の関連を表したものです。相互認定プログラムとすることにより、それぞれの団体に登録し一定のCPD履修単位が取得できることとしています。
CPD(Continuing Professional Development)制度(継続能力開発制度)とはどのような制度なのか、また、何故このような制度が必要なのか、当協会がこの制度を導入するならば、他団体とは違った専門職能を鑑み、適切かつ慎重に検討して決定しなければならないでしょう。
多様化し複雑化した社会は、あらゆる企業に対し、業務遂行に供する知識と技術についての審査、証明等を円滑に進めることが出来る信頼できる人材を求めています。これらのニーズに応え、生涯に亘り技術者として責任を全うしていくためには、常に最新の知識や技術を習得し、自己の能力の維持・向上を図ることが不可欠であると考えます。したがって、それらに必要な専門技術能力の継続的向上を目指す自己啓発行為を支援することを目的とした、CPD 制度が当協会にも求められ必要となってきたわけです。
そこで、委員会は、建築積算士(建築積算資格者)に相応しいCPD制度を模索し検討を重ね、このほど以下に記述したような内容で「BSIJ-CPD 情報システム」制度を構築し運用を開始しております。
また、運用に当たって、他団体のCPD 制度と連携協力し、社会にアピールする対策として、当協会のCPD に関する基本的な実施方策を次のように定める必要があると考えます。
上述した主旨および実施方策を踏まえ、CPD 制度の導入の「目的」を下記の通り定めました。
(目的)
| 第2条 | : | このCPD 制度は、建築積算技術者が自らの業務遂行能力とそれに必要な専門技術能力の継続的向上を目指す自己啓発行為を支援することにより、建築積算技術者の技術的水準及び資質の維持・向上を図ることを目的とする。 |
「建築積算士(建築積算資格者)」の認定は、平成13年行政改革により民間資格となりましたが、この資格の社会的存在価値は、依然として大きなものがあります。そしてその間にも、基本的に資格者としての知識・技術の維持や質的向上が常に求められてきました。
本来、「資格」は自己研鑽に努め、その知識や技術を拡大し、修得した能力と経験を職能環境の変化に適応させることで、より高度な業務の獲得と共に社会にその能力を還元させるものと考えます。
一方、新資格として平成18年度に「建築コスト管理士」が新たに誕生しました。この二つの資格を「建築積算技術者」と称し、自らの業務遂行能力とそれに必要な専門技術能力の継続的向上を目指す自己啓発行為を支援することで、建築積算技術者の技術的水準及び資質向上を図り社会に貢献することを目的とした、「BSIJ-CPD 制度」を創設し、CPD 制度対象者を、当協会の認定事業における「建築積算士(建築積算資格者)」と「建築コスト管理士」の両資格者とし、「対象者」を下記の通り定めました。
(対象者)
| 第3条 | : | 協会が実施する資格制度によって認定された資格者は、このCPD 制度に参加しなければならない。 |
―「継続能力開発(CPD)制度規定」より―
既に(社)日本建築士会連合会、(社)日本建築設備技術者協会、JIA、(社)日本建築構造技術者協会等、自発的継続により専門分野の資質向上に重心を移しつつCPD 制度を始めており、行政による個人のCPD を評価する動きが出てきました。
当協会も「建築積算士(建築積算資格者)」・「建築コスト管理士」の両資格をCPD 制度の中でどの様な運営・システムにすべきかを鋭意検討中でしたが、具体的にまとまり平成18年10月から運用出来る体制が整っています。
CPD 制度におけるCPD 形態は、下記に示した5つに分類されます。
| 参加学習型: | 講習会、研修会等の設定プログラム参加による学習を指します。 |
| 情報提供型: | 講師、論文発表等、社会貢献活動等による技術・知識の提供を指します。 |
| 技術協力型: | 委員会活動への参加、論文等の審査・査読、社会貢献活動等の職能活動等による技術協力を指します。 |
| 自己学習型: | 自主的な専門誌等による学習を指します。 |
| 実務実績型: | 日常の建築積算、コスト管理にかかわる実務を通じて身につける能力開発を指します |
―※ 別表1BSIJ-CPD システムの分類と単位(参照)―
CPD 履修コースとして、次に挙げる3つの履修コースを設定しました。
(履修コース)
| 第3条 | : | このCPD 制度に次の履修コースを設ける。 一.建築コスト管理士コース:建築コスト管理士が履修するコース。 二.建築積算士(建築積算資格者)コース:建築積算士(建築積算資格者)が履修するコース。 三.一般コース:前2号のコースを履修する者以外の会員及びその他の参加者が履修する コース。 |
―「継続能力開発(CPD)制度実施細則」より―
【建築積算士(建築積算資格者)のCPD】
現行「建築積算士(建築積算資格者)」は、3年ごとに「更新講習」を受講することを義務付け、かつ、この更新講習の制度は社会的にも高く評価されている状況から、「建築積算士(建築積算資格者)」は、BSIJ-CPD 情報システムに参加登録し、これを受講することによって自動的に一定の履修単位を取得することが出来ることとしました。
(更新の登録)
| 第22条 | : | 更新の登録を受けようとする者は、登録の有効期限満了の日の前6ヶ月以内に協会の実施する更新講習の過程を終了しなければならない。 |
―「建築積算士(建築積算資格者)認定事業に関する規定」より―
[建築積算士(建築積算資格者)コース履修者の必修プログラム]
| 第8条 | : | 建築積算士(建築積算資格者)コースを履修する者は、建築積算士(建築積算資格者)の資格更新のための必修プログラムとして、別表1に定める「特別講習」を3年毎に受講しなければならない。 |
―「継続能力開発(CPD)制度実施細則」より―
しかしながら、更新講習で資格登録すれば本当に変革の激しい社会のニ-ズに対応できるのでしょうか。CPD 制度の主旨は前述の通りですが、「建築積算士(建築積算資格者)」の皆さんが自己啓発に努め、更に高度な知識と技術を備えていくべきであり、CPD 制度に参加して、技術の研鑽に努めることによって自らの付加価値を高めることが必要不可欠となるわけです。
それらを考慮し下記の規定を設定しました。
(コースの履修単位)
| 第10条 | : | 建築積算士(建築積算資格者)コースを履修する者は、資格更新のための必修プログラムとして、別表1に定める「特別総合講習」を3年毎に受講し、一定単位のほか別表1の形態により自己研鑽に励むものとする。 |
―「継続能力開発(CPD)制度実施細則」より―
【建築コスト管理士のCPD】
建築コスト管理士のCPD履修は、「建築コスト管理士認定事業における規定」にて発足当初から下記の通り義務付けています。
(知識及び技術の維持向上)
| 第7条 | : | 建築コスト管理士は、知識及び技術の維持並びに業務の質的向上や社会環境の変化に対応するよう努めなければならない。 |
| 2 | 建築コスト管理士に必要な知識及び技術の維持向上を図るため、CPD 制度に参加せねばならない。 |
―「建築コスト管理士認定事業における規定」より―
(コースの履修単位)
| 第9条 | : | 建築コスト管理士コースを履修する者は、5年間に250単位(1年間50単位を目安とする。)以上のCPD単位を取得するものとする。 |
| 2 | 履修プログラムは、別表1に示す5形態があり、5年間でそれぞれの履修割合は、実務実績型は50から100単位、他の形態は150から200単位の範囲とする。なお、1年間の履修単位は、実務実績型は10から20単位、他の形態は30から40単位を目安とする。 |
―「継続能力開発(CPD)制度実施細則」より―
(履修結果の記録)
当協会の認定プログラムを履修した場合は、プロバイダーが入力しますので、参加者は、履修記録の確認をするだけとしています。ただし、自己学習型及び実務実績型の申請は、履修結果の記録(入力)は参加者自身が申請を行ってください。
(単位認定)
参加者からCPD 記録の入力があったとき、講習・CPD 運営委員会が審査とりまとめをし、CPD 評議会の評価、認定を受けるものといたします。
前段「当協会のCPD 制度の考え方および目的」でもふれましたが、建築・設備団体における建築士及び建築設備士の自己研鑽のため、複数の建築・設備団体がそれぞれ会員向のCPD制度をすでに実施しております。
国土交通省大臣指定講習制度は、平成17年度に廃止された関係上、公共工事品格法の基本方針を受け、地方公共団体としても公共工事の発注等に際し、技術的能力の審査を適切に行うための具体的な方法の確立が求められています。
建築・設備関連11団体は、国土交通省の指導のもと、「建築CPD 運営会議」設立し、「建築CPD(継続能力/職能開発)情報提供制度」を立ち上げ、データベースで統合的に管理し、以下の用途に活用できるように実績情報の提供をする仕組みを検討し、既に運用を開始しています。
(建築CPD 情報システムとの連携)
当協会のCPD 制度の運用は、個々の団体より立ち遅れているのが現状です。
すでに運用を開始した各団体の運用システム媒体は、ペーパー方式、ペーパーとIT の組み合わせ方式或いはペーパーレス方式(インタネットオンラインシステム)等があります。
そういった状況の下で、当協会のCPD 運用システムは、何を媒体として構築していくべきか、講習・CPD 運営委員会で検討を重ねてきました。
当初CPD 制度情報システムの構築は、当協会単独のシステムと考えていましたが、検討の結果色々な面で問題点が多く、単独開発は無理と判断し、JAEIC((財)日本技術教育建築普及センター)の基で開発された「建築CPD 情報提供制度」のシステムと連携することを前提に、エヌ・ティ・ティ・建築総合研究所と共同開発により「BSIJ-CPD 情報システム」を構築しました。
この「BSIJ-CPD 情報システム」は、ペーパーを用いた運用は避け、インターネットオンライン方式による運用を目指したシステムとしています。
(展望・対策)
前段「他団体のCPD制度の取り組みと現状」で記述した「建築CPD 情報提供制度」における外部への情報開示は、「参加学習型」と「情報提供型」(別紙1BSIJ-CPD システムの分類と単位参照)のみですが、職種性を考慮した協会独自の形態として技術協力型・自己学習型・実務実績型を付加致しました。
また、「建築CPD 情報提供制度」に登録できる先方の条件は、 建築士(1.2級、木造)の資格を有することとなっています。そこで当協会からの参加条件は、慎重に検討を重ねた結果、 会員であることと致しました。この団体に参画し、情報の開示が成された暁には、会員にとって非常に明るい材料になることは間違いないと考えます。
また、建築積算技術者の方々にとって意義のある情報につきましては、今後とも積極的に検討を重ね、支援してまいります。例えば、教育システムの整備やコスト関連データの収集、当協会独自のデータベースの構築と提供、コスト関連業務に対する顧客ニーズの把握・分析、提供可能な業務等の調査活動を含め様々な支援活動を展開していく考えです。
(施行日)
施行日は2006年4月7日とします。
(経過措置・遡及)
このCPD 制度の施行開始から5年間を経過措置期間とする。この経過措置期間内にCPD制度に参加した方々は、参加登録日から起算した前3ヵ年の協会が認定した別表1に定めるプログラムのうち、参加学習型及び情報提供型のCPD 実績を遡及して単位認定を致します。ただし、6年目以降からはこの遡及措置はありませんのでご注意ください。
また、特別な事情により5年間で250単位修得出来なかった場合、履修単位の緩和措置については、CPD 制度実施細則第13条に規定しています。
別紙に掲載した表は、CPD 制度における履修形態を分類と単位として一覧にしたものです。参加者は、この表を下に履修を実施してください。但し、換算単位は当協会の認定単位です。他団体に申請する認定プログラムの履修単位は、他団体の設定単位となりますのでご注意下さい。
CPD 制度におけるプログラムのシステムは、積算技術者にとってどの方法が最も良いか当委員会で将来性・利便性等を考慮・配慮しながら検討を重ねてまいりました。前段でも説明致しましたが、11団体における取り組み方およびそのシステムを考慮し、ペーパーレス時代に入った現代社会を考慮しますと、インターネットオンラインシステムを取り入れるべきと判断し、エヌ・ティ・ティ・建築総合研究所と共同開発により「BSIJ-CPD 情報システム」を構築致しました。
(関連図及びシステムの流れ)
下記に示すそれぞれ図は、「建築CPD 情報提供制度」と「BSIJ-CPD 情報システム」の関連及び「BSIJ-CPD 情報システム」における認定プログラム参加者情報と自己研修申請の流れを表しています。
図中の統合参加者DB(データベース)とは、加入団体の各人のCPD 履修結果を統合的に管理し、前述した目的と意図及び登録条件をもって情報の開示をするシステムです。
参加者は、始めに協会が構築したインターネットオンラインシステム「BSIJ-CPD 情報システム」から、参加登録申請を実行することが出来ます。協会は受付・登録後、参加者にID 及びパスワードを発行致します。その申請をもって参加登録申請を行ったものといたします。
※参加登録の方法は、CPD操作マニュアル(参加者用)を参照ください。
システムへのログインは、発行されたID 及びPW を入力することにより実行されます。
以上で「BSIJ-CPD 情報システム」の概要説明は終了です。
引き続き(社)日本建築士会連合会における専攻建築士制度と「建築積算士(建築積算資格者)」との関連について説明いたします。
皆さん既にご存知の通り、当協会と日本建築士会連合との間で専攻建築士制度における合意協定書を締結しています。
士会連合における専攻建築士専攻領域とは:
しかしながら、「積算」の名称は「生産専攻建築士」の中に包含されています。そこで、建築積算士(建築積算資格者)を確かな位置づけとする目的で、先方と協議の上合意協定書を締結し、「生産(積算)専攻建築士」として限定表示できることと致しました。また、専門分野表示は得意分野のことで、消費者から見て「表示があった方が分かり易い」との視点から考えられたものです。
生産専攻領域で(積算)と限定表示できるのは、「建築積算士(建築積算資格者)」のみです。
※合意協定書及びCPD 制度の詳細は、BSIJ ホームページ―ニュース欄「建築積算士(建築積算資格者)と専攻建築士制度」を閲覧下さい。また、士会連合の専攻建築士制度及びCPD 制度についての詳細は、士会連合のHP(http://www.kenchikushikai.or.jp)を参照下さい。